📌 この記事はこんな人に向けて書いています
第2種電気工事士の筆記試験を受ける方・「電気の基礎理論」で確実に点数を取りたい方。 出題パターンは毎年ほぼ固定されており、過去問の繰り返しが合格への最短ルートです。 本記事では頻出の10テーマを、実際の試験問題・解答・解説とセットで徹底解説します。
1
オームの法則
電気理論の絶対的基礎。ここを落とすと全てが崩れる

基本公式

V = I × R

単位

V(電圧)ボルト [V]
I(電流)アンペア [A]
R(抵抗)オーム [Ω]
💡 暗記ポイント
  • V=IRから、I=V÷RR=V÷I の3形式を素早く変換できるようにする
  • mA(ミリアンペア)は ÷1000 でAに変換(例:500mA → 0.5A)
  • 「電圧は圧力、電流は流量、抵抗はパイプの細さ」と水道でイメージすると忘れない
📝 実際の試験問題(令和3年度 上期 筆記試験 類題)

【問題】図のような回路において、電源電圧が100V、抵抗が25Ωのとき、回路に流れる電流 [A] として、正しいものはどれか。

  • イ 2 A
  • ロ 4 A
  • ハ 8 A
  • ニ 0.25 A
✅ 解答・解説

正解は ロ(4A)
オームの法則より I = V ÷ R = 100 ÷ 25 = 4 [A]
計算そのものは割り算1回です。「÷1000の変換が必要か」を確認するクセをつけましょう。 ニ(0.25A)は誤って R÷V を計算した場合に出る数値で、典型的な引っかかりパターンです。

🎯 試験テクニック:選択肢の数値が極端に大きいか小さい場合は「単位変換し忘れ」が疑われます。まず単位を確認する習慣を。
2
電力と電力量
「電気料金いくら?」という問題は必ず出る

電力(パワー)

P = V × I
単位:W(ワット)

電力量(エネルギー)

W = P × t
単位:Wh(ワット時)、t は時間[h]
💡 暗記ポイント
  • P=VI は、オームの法則と組み合わせて P=I²RP=V²/R にも変形できる
  • 時間の単位は必ず「時間(h)」に統一。秒が出たら ÷3600 で換算
  • 電力量(Wh)=電気代の基礎。1kWh=1000Wh
📝 実際の試験問題(令和4年度 下期 筆記試験 類題)

【問題】消費電力が1000Wの電熱器を、1日2時間、30日間使用したときの電力量 [kWh] として、正しいものはどれか。

  • イ 30 kWh
  • ハ 120 kWh
  • ロ 60 kWh
  • ニ 2000 kWh
✅ 解答・解説

正解は ロ(60kWh)
まず使用時間の合計:2時間 × 30日 = 60時間
電力量:W = P × t = 1000W × 60h = 60,000Wh = 60kWh
「1日ではなく30日分」を見落として 2kWh などと答えるミスが頻出です。問題文をゆっくり読む習慣が大切。

3
抵抗の直列・並列回路
毎年必ず出題。計算パターンを体に覚えさせる

直列接続

R = R₁ + R₂
全部足すだけ

並列接続(2つの場合)

R = (R₁×R₂)/(R₁+R₂)
「積÷和」で覚える
💡 暗記ポイント
  • 直列:電流は同じ・電圧は分担。R は大きくなる
  • 並列:電圧は同じ・電流は分担。R は小さくなる(パイプが太くなるイメージ)
  • 2抵抗の並列は「積÷和」が最速。3つ以上は 1/R=1/R₁+1/R₂+1/R₃
📝 実際の試験問題(平成30年度 下期 筆記試験 類題)

【問題】6Ωの抵抗と3Ωの抵抗を並列に接続したときの合成抵抗 [Ω] として、正しいものはどれか。

  • イ 9 Ω
  • ハ 3 Ω
  • ロ 2 Ω
  • ニ 18 Ω
✅ 解答・解説

正解は ロ(2Ω)
積÷和の公式で:(6 × 3) ÷ (6 + 3) = 18 ÷ 9 = 2 [Ω]
イ(9Ω)は直列の計算(6+3)、ニ(18Ω)は積だけを取った誤り。
並列接続では「元の抵抗よりも必ず小さくなる」という感覚チェックが重要です。

🎯 並列計算の答えは「接続した抵抗の中で一番小さい値よりも必ず小さくなる」。この感覚チェックで計算ミスを防げます。
4
キルヒホッフの法則
複雑な回路でも「電流の入出力」と「電圧のバランス」で解く

第1法則(電流則)

ΣI_in = ΣI_out
節点に入る電流=出る電流

第2法則(電圧則)

ΣV = 0
閉回路の電圧の総和は0
💡 暗記ポイント
  • 第1法則は「交差点でのクルマの流れ」:入った分だけ出ていく
  • 第2法則は「電池で押し上げた分、抵抗で全部落とす」イメージ
  • 図を丁寧に書いて、矢印で電流方向を記入するだけで正解率が大幅アップ
📝 実際の試験問題(令和2年度 上期 筆記試験 類題)

【問題】次の回路において、抵抗Rに流れる電流I₃ [A] として、正しいものはどれか。ただし、I₁=5A、I₂=3Aとし、I₁とI₃は流入、I₂は流出とする。

  • イ 1 A
  • ニ 8 A
  • ハ 3 A
  • ロ 2 A
✅ 解答・解説

正解は ロ(2A)
キルヒホッフ第1法則より:流入=流出なので I₁ + I₃ = I₂ ではなく、
I₁ = I₂ + I₃ → 5 = 3 + I₃ → I₃ = 2 [A]
「流入・流出のどちらか」を問題文できちんと確認することが正解への鍵です。

5
ジュール熱
電流が熱を生む量の計算。電流の「2乗」が最大のポイント

ジュール熱の公式

Q = I² × R × t

単位と変換

Q(熱量)J(ジュール)
I(電流)A(アンペア)
t(時間)s(秒)※ここは秒!
💡 暗記ポイント
  • 電流が2倍になると、発熱量は4倍になる(Iの2乗のため)
  • 電力計算(P=VI)と混同しないこと。電力では Pt の t が「秒」のときは J 単位になる
  • 電線の損失問題でも同じ公式が使える
📝 実際の試験問題(令和元年度 下期 筆記試験 類題)

【問題】抵抗値が5Ωの電熱線に4Aの電流を10分間流したとき、発生する熱量 [J] として、正しいものはどれか。

  • イ 200 J
  • ハ 8000 J
  • ロ 48000 J
  • ニ 800 J
✅ 解答・解説

正解は ロ(48,000J)
まず時間の換算:10分 = 600秒(×60を忘れずに)
Q = I² × R × t = 4² × 5 × 600 = 16 × 5 × 600 = 48,000 [J]
ハ(8000J)は分を秒換算せずにそのまま使った誤りです。「分→秒」への換算忘れが最頻出ミスです。

6
フレミングの法則
「左手=モーター、右手=発電機」。手を広げて覚える

フレミング左手の法則

電動機(モーター)
中指:電流 / 人差し指:磁界 / 親指:力(運動)

フレミング右手の法則

発電機
中指:誘起電流 / 人差し指:磁界 / 親指:運動の向き
💡 暗記ポイント
  • 左手=「L」eft → eLectricity(電気)→ モーター(電気を入れて動く)
  • 右手=「R」ight → 発電機(動かして電気を作る)
  • 試験では「力の向き」「電流の方向」が選択式で出る。実際に手を出して考えれば必ず解ける
📝 実際の試験問題(令和5年度 上期 筆記試験 類題)

【問題】フレミングの左手の法則において、電流の方向、磁界の方向、および導体の受ける力の方向の関係を表すとき、電流の方向を示す指はどれか。

  • イ 親指
  • ロ 中指
  • ハ 人差し指
  • ニ 薬指
✅ 解答・解説

正解は ロ(中指)
左手を広げたとき:親指 → 力(運動方向)人差し指 → 磁界中指 → 電流
語呂合わせ:「て(親)・は(人)・でん(中)」(手・磁場・電流)で覚えると確実です。

7
静電容量(コンデンサ)
「電気をためる部品」。並列と直列で容量の変化が抵抗と逆!

基本公式

Q = C × V
Q:電荷量[C] C:静電容量[F] V:電圧[V]

接続と容量の変化

並列接続C = C₁ + C₂(容量が増える)
直列接続1/C = 1/C₁ + 1/C₂(容量が減る)
💡 暗記ポイント(重要:抵抗と真逆!)
  • コンデンサの並列=容量アップ(貯水タンクを並べるイメージ)← 抵抗の並列とは逆
  • コンデンサの直列=容量ダウン← 抵抗の直列(足し算)とは逆
  • 「コンデンサの計算は抵抗と真逆」と一言覚えておけば迷わない
📝 実際の試験問題(平成29年度 上期 筆記試験 類題)

【問題】静電容量4μFと6μFのコンデンサを並列接続したときの合成静電容量 [μF] として、正しいものはどれか。

  • イ 2.4 μF
  • ロ 10 μF
  • ハ 1.2 μF
  • ニ 24 μF
✅ 解答・解説

正解は ロ(10μF)
並列接続はそのまま足し算:C = 4 + 6 = 10 [μF]
イ(2.4μF)は直列接続の計算(積÷和=24÷10)の結果です。
「並列=足し算」と体に覚えさせましょう。

8
インダクタンス(コイル)
「変化を嫌がる部品」。交流と位相差がポイント

誘導リアクタンス

X_L = 2πfL
f:周波数[Hz] L:インダクタンス[H]

位相差の特性

電流電圧より 90° 遅れる
周波数↑抵抗(リアクタンス)↑
💡 暗記ポイント
  • コイルは「急な変化を邪魔する部品」。電流が急に変わるのを嫌う
  • 直流では抵抗として働かない(電線と同じ)が、交流では周波数が高いほど電流を流しにくくなる
  • 「コイルは電流が遅れる(えお:EがOssい=電圧が前)」で語呂合わせ
📝 実際の試験問題(令和3年度 下期 筆記試験 類題)

【問題】コイル(インダクタンス)について述べた文章として、誤っているものはどれか。

  • イ 交流回路では電流の流れを妨げる作用がある
  • ロ 直流回路では電流の変化がないため、抵抗として働かない
  • ハ 周波数が高くなるほど、電流は流れやすくなる
  • ニ コイルに流れる電流は電圧より位相が遅れる
✅ 解答・解説

正解(誤っている文)は
コイルの誘導リアクタンス X_L = 2πfL より、周波数 f が大きくなるほど X_L も大きくなり、電流は流れにくくなる(逆)。
イ・ロ・ニはすべて正しい記述です。

9
交流回路・実効値
「100Vって最大値じゃない!」実効値と最大値の関係を制す

実効値と最大値

V_rms = V_max / √2
√2 ≒ 1.414

数値の例

家庭用100V(実効値)最大値 ≒ 141V
家庭用200V(実効値)最大値 ≒ 283V
💡 暗記ポイント
  • コンセントの100Vは「実効値(平均的な効力)」。波の頂点(最大値)は約141V
  • 最大値 → 実効値:÷√2 / 実効値 → 最大値:×√2
  • 周波数:東日本=50Hz、西日本=60Hz(これも出る!)
📝 実際の試験問題(令和4年度 上期 筆記試験 類題)

【問題】最大値が282Vの正弦波交流電圧の実効値 [V] として、最も近いものはどれか。ただし、√2=1.41とする。

  • イ 141 V
  • ロ 200 V
  • ハ 282 V
  • ニ 400 V
✅ 解答・解説

正解は ロ(200V)
実効値 = 最大値 ÷ √2 = 282 ÷ 1.41 ≒ 200 [V]
イ(141V)は「282 ÷ 2」という誤りのパターン。「÷√2」と「÷2」を混同しないよう注意。
√2 ≒ 1.41 は問題文中に与えられることが多いので、確実に使いましょう。

10
力率(パワーファクター)
電力の「無駄遣い度」を示す指標。改善策もセットで覚える

力率の定義

cosθ = P / S
P:有効電力[W] S:皮相電力[VA]

電力の3種類

有効電力 P実際に仕事をする電力 [W]
無効電力 Q仕事をしない電力 [var]
皮相電力 S見かけ上の電力 [VA]
💡 暗記ポイント
  • 力率1(cosθ=1)が理想。電気をムダなく使える状態
  • 力率が低い(コイルが多い)と電線や変圧器に余分な電流が流れて損失が増える
  • 力率改善にはコンデンサ(進相コンデンサ)を並列に接続する
📝 実際の試験問題(令和5年度 下期 筆記試験 類題)

【問題】皮相電力が500VA、有効電力が400Wの交流回路の力率 [%] として、正しいものはどれか。

  • イ 125 %
  • ハ 125 %
  • ロ 80 %
  • ニ 60 %
✅ 解答・解説

正解は ロ(80%)
力率 = 有効電力 ÷ 皮相電力 = 400 ÷ 500 = 0.8 → 80%
「力率は必ず1(100%)以下」という大原則から、イ(125%)は計算するまでもなく除外できます。
この「感覚チェック」の習慣が時間短縮に直結します。

🎯 力率改善=コンデンサ接続。これはそのまま実務(電気工事)にもつながる重要知識です。試験後も役立ちます。

📊 まとめ:10テーマ 暗記一覧表

順位 テーマ 必須公式 最頻出パターン
1 オームの法則 V=IR 電流・電圧・抵抗の算出
2 電力・電力量 P=VI、W=Pt 電気料金・消費量計算
3 直列・並列回路 R直=R₁+R₂ / R並=積÷和 合成抵抗の計算
4 キルヒホッフ ΣI_in=ΣI_out 分岐回路の電流計算
5 ジュール熱 Q=I²Rt 発熱量・電線損失の計算
6 フレミングの法則 左手→モーター / 右手→発電 力・電流・磁界の方向
7 コンデンサ Q=CV / 並列:容量↑ 合成容量(抵抗と逆)
8 コイル X_L=2πfL 交流での性質・位相差
9 交流・実効値 V_rms=V_max/√2 実効値↔最大値の変換
10 力率 cosθ=P/S 力率の計算・改善策

🏆 合格する人の3ステップ勉強法

電気の基礎理論は「努力がそのまま点数になる分野」。この順番で進めれば確実に得点源になります。

📖 Step 1:10公式の暗記(本記事)
✏️ Step 2:過去問を3周
🔁 Step 3:間違い問題のみ反復

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