「2024年11月の機械受注統計によると、船舶・電力を除いた民需の受注額は前月比3.4%増となり、2ヶ月連続で増加しました。この結果はロイターの事前予測調査(0.4%減)を大きく上回る好結果となりました。」
受注増の要因は
11月の機械受注の改善傾向を支える具体的な要因は、2点です
製造業の受注増加
製造業の受注額は前月比6.0%増加し、2ヶ月連続でプラスとなりました。特に、汎用生産機械の受注が緩やかに上向いており、企業の設備投資意欲の回復が見られます。
非製造業の堅調な推移
非製造業の受注額も1.2%増加し、2ヶ月ぶりの増加となりました。特に、電気機械分野が高水準を維持しており、AIや半導体需要の拡大が背景にあります。
- 全体の受注額は前年同月比10.3%増
- 製造業は15.3%増
- 非製造業は6.5%増
景気の回復基調を示す明るい材料です
内閣府の基調判断の引き上げ
内閣府は11月の機械受注統計を受けて、基調判断を「持ち直しの動きがみられる」に上方修正しました。この判断の背景には、以下の要因があります。
- 汎用生産機械の受注が安定して増加していること
- AIや半導体関連の需要を背景に、電気機械分野が堅調に推移していること
今後の見通し
専門家によると、今後も企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資や人手不足に対応する省力化投資が進むことで、設備投資の増強が続くと予測されています。
2024年10-12月期には、前期比5.7%増と3四半期ぶりの増加に転じる見通しです。
関連銘柄の紹介
この機械受注の増加傾向を受け、以下の関連銘柄に注目が集まっています。
ファナック(6954)
産業用ロボット分野で世界的なシェアを持つ同社は、省力化投資の拡大により成長が期待されています。
オムロン(6645)
工場自動化(FA)ソリューションを提供するオムロンは、DX需要の拡大とともに注目されています。
東京エレクトロン(8035)
半導体製造装置の大手であり、AIや半導体分野の設備投資が増えることで大きな恩恵を受ける可能性があります。
まとめ
2024年11月の機械受注統計では、製造業・非製造業ともに堅調な回復を見せており、今後も設備投資の拡大が期待されています。特に、DXや半導体需要に関連する分野では、引き続き成長が見込まれます。
投資家にとっても、今後の動向を注視しつつ、関連銘柄への関心を高める良いタイミングといえるでしょう。

